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梅干
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2007/8/27
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本当は、梅雨時に干す筈の梅干し!今年は少し遅れて先週末から干して、今日の雨を予測し昨日の午後からまた瓶に戻した。私の大好物の梅干は自家製で、どうもこれは遺伝するらしく、子供達も大の梅干好きなので、あっという間に無くなる。好きと言っても、漬けて干す事を私はやった事がなく、もっぱら食べる専門なのだが、毎年一度は「自分で漬ける。自分で干したい。」と話すのも恒例になった。でも、来年こそは自分で本当にやりたい・・・いや、手伝いたい。その分食べて、元気を出して、ますます酸っぱい人間になったりして・・・
でも、梅雨の晴れ間に(合間に)梅を干す季節を「梅雨」と呼ぶのも日本の心。土曜日の新聞には、「古来、稲は雷の光を浴びて実ると考えられていた。雷光を稲妻や稲光と呼ぶのは、その名残・・・」との記事が載っていた。ますます、季節を感じる日本語に魅せられはじめている。そう考えると、食べ物にまつわる事柄が多いことに気が付く。
小さな国土で、全てを輸入に頼る今の日本は今後大丈夫なのだろうか?昔は武士も百姓と同じく働いたと云う。宮沢賢治の文学も素晴らしいけれど、農学もまた宮沢賢治に学びたいものだ。山も畑も無い耕す腕も無いくせに書くだけ書いているが、以前借りた畑も1年で断念した経験がある。
なにより「時間が無い」の一言に尽きる。もしも、宝くじで1億円当ったら「時間を買おう!」 でもその前にローンを返済して、山を購入して作業場を建て、機材も揃えて・・・車も新しくして、あれもこれも・・・んっ・・・足りない。
諦めて、今まで通りに梅干しでご飯を食べよう。早く出来ないかな〜と、密かな楽しみ。(嫌いな方には、ごめんなさい)
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日曜日 2
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2007/8/26
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モテタと書いても信じてクレナイ人の為に、証拠を一枚。これが私の顔だそうです。(日曜日1からお読みください)
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日曜日 1
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2007/8/26
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日曜日の、上田堤1丁目界隈。元気な子供達の遊び声に、大人はつい笑顔になる。キャッチボールで遊ぶ男の子達やアパートの階段手すりで遊ぶ子に、道路に座り込んでままごと遊び?の女の子。写真を撮っていたら、とても若い美女三人に囲まれてしまい。初めてモテタかも。
まずは、カメラの前でピースの連続、次はバックの中身を次々に見せられて、お宝の自慢話を聞く。次に、カッツコ良くポーズを取れと言われた。どうやら、似顔絵を描いてくれるらしい。
のどかな日曜日の出来事。
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オリジナル照明
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2007/8/25
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コードは解体現場からの贈り物、糸巻きはお客様の手持ち、ホームセンターでレセップと電球を購入して作った手作り照明の写真です。何でも捨てずに取り置いて、いつかまた使う工夫をしようと考えていたら、こうした巡り合いがありました。偶然の出会いもあると思いますが、より必然的な出会いもあるのだと感じられます。必然と偶然が織り成すチャンスが多いほど、感動もまた沢山あるかもしれません。
もしかすれば捨てられるものが、こうして何かに生かせた時、小さな喜びと実感を感じます。「ここに納まる照明がどうしても見つからない・・・」「そういえば先日の現場で拾った古い陶器付きの布コードがありますよ。」「だったらこんな糸巻きを付けてみてはどうかな?」と、施主と施工者の会話。多分この時点で、お互いの頭の中では同じイメージを感じ取っていたと思います。ただ、傾くところまでは共有していませんでしたが、「まっ・・・これもいぃっか」の一言で丸くおさまりました。
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絲し舎 4
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2007/8/24
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8月12日の日記でご紹介した、「絲し舎」さんの看板が出来ました。木部は弊社施工で、店名の彫り込みはお客さまご自身の力作です。自宅のポスト作成時に、使う予定の屋根板が見当たらないとぼやいていた専務が、この写真をみて「あっ・・・どこかで見たことがある」の一言。「この看板良く出来たね。お客さんが自分で彫って凄いね。」と、別の話題で盛り上げ、先の一言は聞こえなかった事にしました。
しかし、弊社の看板もまだなのでそろそろ作らないといけませんよね。なんたって顔ですからね。それが出来て初めてお世話になった方々をお招きして、大宴会をしたいと思ってはいるのですが、思うに任せずと言うのでしょうか・・・。
なにはともあれ、「絲し舎」さんの開店ももうじきです。商売繁盛を願います。どんどはれ。
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長女と孫
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2007/8/23
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本日、弊社ホームページに新たなページを追加しました。「杢創舎紹介」コーナーで、取り急ぎ「体にやさしい笑顔のある暮らし」として、杢創舎の家づくりのどこが優しいのかを取り上げてみました。
ところで、そのページで笑顔をみせる赤ちゃんは、私の初孫で、この写真が長女と孫の幹太です。45歳にしてじいさんばあさんになりました。仕事のまだまだ忙しい、じいさんにとっては、煩わしさを感じる事もあるのですが、「子供達の時も仕事ばかりして、まとわり付かれる経験が無いでしょう」と、ばあさんからするどい呟きが一瞬聞こえたのです。「いっ・・あ〜・・」返す言葉がなく、仕事に逃げました。でも、孫は可愛いです。(子供達も・・・はい・・・なんで言い訳するんだろう?)
また、「体にやさしい笑顔のある暮らし」の一番上の笑顔の少女は、来年建築予定のお客様が見学会に連れてこられたお子さんです。こちらも我が家同様4人のお子様でにぎやかです。老後を、東京から離れて岩手での一人暮らしをご希望されたお客様、ご夫婦お二人での住いを新築されたお客様、二世帯の住いなど色々な生活に関わりながら、今日まで仕事をさせていただいてきました。無垢の住い故に、受け止め方に個人差もあるなかで、出来る手直しも多種多用でした。暖房も同様で、同じ性能でも感じ方に個人差がかなりありました。それは、当然であり仕方ない事だと思います。だからこそ、出来得る事をさせていただく気持ちで取り組んできました。そうした時に感じるのは、皆さん笑顔で接して下さるのです。これほど有難い事はありません。
直接的ではありませんが、感謝を込めて「体にやさしい笑顔のある暮らし」のコーナーとさせていただきました。このページは、気が付くところを今後も追加したいと思います。また、細部を今後作り上げて、日々更新したいと思います。その他、杢創舎紹介欄は、山の事、大工の事、建て方、仕事の流れなど、どんどん内容を書き加えたいと思いますので、よろしくお願い致します。
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水遊び
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2007/8/22
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昨日の日記はお盆前でした。今日はたった今撮影。弊社事務所前で遊ぶ近所の子供達。これを水遊びと言うのだろう?昨日の写真はあくまで自由研究だったけど、今日の写真とどこが違うのだろうか?
「あっ・・写真撮ってる」「お母さん達にメールで送るのさ」「ヤベー逃げろ」「もう撮ったから遅いよ」と、大声で会話。メールどころか、ホームページに確りと使います。しかし、裸足の私の三女がこの中で一番年上・・・ローラースケートを履いて水遊びしている子が私の長男で・・・なんと言ったらよいやら。近所の子供達も負けず元気で、上田堤1丁目界隈は毎日にぎやかです。風邪ひくなよ・・・このあと片付けもしないで・・・ガッチリと怒られた子供達でした。
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自由研究
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2007/8/21
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子供の通う小学校は、今日が始業式。夏休みも終わり二学期の始まりだ。と思ったら、午前授業ですぐ家に戻ってきた。私達の時も、こんなに休みが多かったかな〜と頭をひねっても、良く思い出せない。仕事場が自宅の地下で行動が良く分かり、余計そう思うのかもしれない。
さて、写真は子供達の自由研究。杢創舎の事務所前で一応「研究」、遊んでいるのではありません・・・ハイ・・・大きなシャボン玉を作って人が入れるかの実験だ。気が付くと、私のサンダルも下駄も水浸しにされていた。夏だからいいかと思ったが、その下駄を履いて歩いたら、下駄の鼻緒からシャボンの泡がギュッギュツと歩く度に出てくる。これには参って「アハハ」と久しぶりに腹から笑った。
お盆休み前の出来事だったけど、写真を見て思わず笑顔になる。笑って過ごすのが一番いいですね。子供が羨ましいなぁ〜が本音?
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オカリナ
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2007/8/20
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昨日、フェアトレード商品のオカリナを買った。そのつもりではなく、生協のイベントコーナーの片隅に並んでいたものを見ていたら、「マヤのオカリナです」と声を掛けられて、ついそのまま下さいと言ったら、妙に「エーッ、ありがとうございます」と言われたので、「?」だったが、袋の中に小さなチラシが入っており、フェアトレードの説明が書いてあった。
「公正な取引」と言う意味で、これまでの先進国による搾取的な貿易では、貧困はいつまでたってもなくなりません。フェアトレードの商品は、生産者に適切な報酬が行くようにするフェアな貿易で取引させれた商品です。大事なのは仕事に対する正当な報酬が彼らに行く、ということです。大人が経済的に自立し、生活に十分な収入があれば、子供達は働かなくてもよくなり、学校に行けるようになるのです。
など色々と書いてあった。このオカリナは700円。国際支援だとも書いてあるので、決して高くないと感じた。「クラフトショップ彩」松園1-28-15にお店があるとの事。ピーヒャラ〜ヒーヒャラ子供達はオカリナで変な音を出しておおはしゃぎ!「お父さん、これどうすればいいの」・・「指で穴を塞いで吹けばいいのさ」・・「音楽にならないよ」・・「オカリナの音符?」・・「お父さん、何で買ったの?」・・「?」・・なんでだろう、自分でも分からないが満足している。
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オルゴール
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2007/8/19
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この写真は、大きなオルゴールの音盤。昔の酒場での華やかな雰囲気や笑い声までも聞こえてきそうでありながら、何故か切ない音色も感じる。「24時間愛は地球を救う」人生が変る瞬間がテーマ。昨晩は、ガンを発病し9歳で人生を終えた子の、小さな命を懸命に生きようと頑張る姿や、逆に親を思いやる姿に涙してしまった。「生まれ変わったら、またお父さんお母さんの子供になりたい」と言う子に、「もっといい親のところの方がいいだろう」とお父さんの嗚咽。
五体満足な自分に、そうした事が言えるだろうか。私の母は、軽度の認知症で常々会話がままならない。気持ちでは優しく接したい筈なのに、顔を合わせるとそれが出来ない自分がいて、それが私の本性なのかもしれない。父は大工で、19年前他界した。それは突然の出来事で、午前中まで元気に働いていたのだが、お昼休みの昼食後、自宅で母の胸に倒れこんでそのまま意識が戻ることは無かった。脳溢血だった。お医者さんに「機械で心臓を動かしているだけなので、このまま何日続くか分かりませんが、意識が戻ることはありません。機械を外しても構いませんし、このまま何日か付け続けても構いませんが、どうしますか?」と聞かれた。今思えば、脳死宣告だったのだろうけれど、動揺していて良く分からなかった。口の中に無理やり大きなチューブが差し込まれていて痛ましかった事や、「まだ頑張っているんだ」との看護婦さん達のひそひそ話しが聞こえた事は今でも記憶している。そして、目の前で父の息が止まるその瞬間を残った家族全員で見守る事になる。あまりにも一瞬の出来事だった。泣き崩れる母と手を握り締める私と弟。私は当時26歳だった。
私は、父親と仲が悪く喧嘩ばかりしていた。酒癖の悪い父親と、不良息子の二人の取っ組み合いの仲裁で、何度母は泣いたことだろう。それなのに、亡くなる前日偶然父と電話で話したら、やけに優しかった。私は、それも気に食わなくて反発した駄目息子だった。夢で一度、「もっと生きたかった」と父に言われたような記憶がある。また、正月の初夢で「お年玉をやる」と父から5万円貰う夢も見たことがある。そして、本当に宝くじが5万円当った。末尾777番だった。
今、4人の子供の父親になり、家族と楽しく生活しながら、若い頃の決して戻らない過去を反省している。色々と巡った縁で、今は父と同じ仕事をしているし、父は大工としては腕は良かったと聞いている。時々、地鎮祭などで奏上する祝詞も父形見の大工教本から学んだ。しかも、墨付けまでやりはじめて、どんどん大工仕事に向かっている自分がいる。今は、もし生まれ変わったらこんどこそ父と仲良くなり、一緒に働きたい気もする。まして、母に対しても優しくなりたい。24時間テレビのお陰だと思う。
オルゴールを聞いてみたくなった日曜日(重い文章ですみません・・・自分でもここまで一気に書く予定ではありませんでした)。それでは、気分をかえて、欽ちゃん頑張れっ!
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魚
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2007/8/18
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昨晩、10歳の長男が私のパソコンで絵を描いていた。多分、お盆に手掴みした川魚だと思う(16日の日記参照)。文章は不要で、しばし見入ってしまう親バカ。2日前の思い出でした。
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トンボ
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2007/8/17
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17日は朝早くから間取りの計画をしているが、一向に進まないので、日記を書き始めてしまいました。朝4時の風は、秋の気配を感じるほど冷たくて気持ち良いけれど、毎年こんな気候だったかな?と・・・日中あれほど暑いし、「地球温暖化の危機」を読んだばかりなので余計変に感じます。
そこでこの写真。岩泉町で撮影しました。盛岡の住宅街ではあまり見かけなくなってしまった気がします。今計画中の図面を眺めながら、出来ることなら土や木で昔ながらに家を造ってみたいとの無理な願望を持ちながら、この写真を眺めています。そして、ますますやりたくなりました。建て主さんは、東京の方で来年建築予定ですが、岩手の寒さに順応出来るかが心配です。土間・・・土壁・・・断熱材・・・予算・・・と悩みながら時計が気になって、時計を見上げると既にAM6時。再度プランに向かいます。でも、土間だけは土で造ろうときめてみたものの、お客様はどうだろう?何時もの舞台裏でした。
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手掴み出来た
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2007/8/16
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お盆休みの最後、朝からゲームばかりしている私の四番目の子からゲーム機を取り上げて泣かせてしまい、咄嗟の思いつきで、近所の川原へ水遊びに誘った。そして、偶然にも魚を手掴みでゲット。長男にとっては初めての快挙なのだろう、その自慢げな顔付き、神様がくれた夏休みの思い出と書きたいところだが、川の直ぐ横が釣堀で、そこの弱った虹鱒だと思われる。目が奇形で白く濁っている。子供に「凄いね」と言いながら、自然界への冒涜も感じて内心複雑だった。なにも、横の川に奇形種を捨てなくてもいいではないかと・・・。
長男は、意気揚々と妻方の本家に凱旋帰宅。それはそれはと皆に褒められていましたが、二歳年上の三女が「ずるい」とプンプンなので、再度清水川まで・・・ゲームよりも楽しいよね?
久しぶりに仕事を忘れたお盆休みでしたが、11時頃から何時ものように仕事モードに戻り、「盛岡に帰るよ」との一言で嫌われ者になりました。暑い夏がこうして過ぎていきます。
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龍
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2007/8/15
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岩泉町には、雲岩寺というお寺があります。建物が結構有名で、至る所に素晴らしい彫刻が施されています。今回、色々と撮影したのですが、その中の一枚です。龍泉洞という名の、地底湖の鍾乳洞が岩泉町のシンボルですが、我が家にも龍体のような赤松の梁が居間の中央に配置されています。確りと頑張ろうと思い、心の中で一礼しました。本当の意味で、「木を生かしていく」これが今大切です。山や職人から学ぶことも大切であり、未熟な私に墨付けまで教えてくれる遠山棟梁にもまた頭が下がります。道は長く厳しいので、一歩一歩の継続あるのみですね。
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お墓参り
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2007/8/14
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澤口家のお盆は、毎年決まって岩泉町にある父のお墓参り。山門から見える風景も、毎年の事ながら懐かしくて撮影。家内は、荷物も持たずに写真撮影ばかりの私を見て、何か言いたそうではありますが、金剛様の前で確りと一礼していました。私達夫婦は、子供の頃から岩泉で育った同級生です。子供の頃から何時も決まって、金剛様の前ではお辞儀をして過ごしました。お寺も遊び場で、大きなイチイの木の中で遊んだりしたのを思い出します。今は、お寺の前に大きな道路が出来て、そうした風景は多分無くなったと思われます。
私達がこの中に入った後も、子供達がこうしてお墓参りをしてくれるのだろうかと話しながら、「千の風になって」を口ずさむのでした(と言っても歌えません・・・)。
毎年の行事があるのもまた良いものです。ご先祖あっての私達と思いながら、本家への挨拶もおろそかで反省は毎回するのですが、仏壇の「澤口家先祖代々の霊位」へ合掌して、ありがとうございますと言いました。
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朝市
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2007/8/13
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今日からお盆休み(正確には12日から休みましたが)。毎年恒例の神子田朝市に行ってきました。そして、美味しいモーニングコーヒー100円・・・小さな幸せです。行き帰りの車中、カンツォーネを聞きながらイタリアの朝を連想して、旅気分。隣の方は、「この音楽の雰囲気は鍛冶屋を思い出すね」との事。瞬時あの雑踏とノスタルジーな感覚の情景が蘇り、人の流れの中に佇んで職人の手技を見つめている自分がそこに居た。「前世はイタリアの職人かも」などと微妙で奇妙な会話。考えてみれば、お盆ですからね。これで、イタリヤ旅行気分と盛岡の朝の風に触れて、一石二鳥(私だけ?)
ところで、先日立ち読みをした本に「盛岡市は朝起きの町」と書いてありました。ソーナンダと一人納得して、別の本を買いました。タイトルは「木の教え」です。これもまた一石二鳥?日本語は正しく使いましょうと言われそうですが、仏壇に花を添えて合掌、日本の心です。(結局仕事もした休日です。)
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絲し舎 3
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2007/8/12
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内部から逆側を撮影(写真の腕が未熟ですみません)。右側の建具も、解体現場からの持込です。障子が2枚見えますが、これらには倒れないように足を付けて衝立としました。これは、お客様の提案です。これもまた70年前の建具の再利用です。右側に3段の足付き棚がありますが、これらにはエコロングウッドという木こりさんが使う塗料を塗って古色風に仕上げてみました。写真では分かりにくいのですが、右奥くの小スペースは、記帳コーナーとなります。この部分は、紫のベンガラで柿渋に着色して塗り込んでみました。全て、弊社社員の塗装です。今後の変化が楽しみです。9月開店予定です。是非お立ち寄りください。
※場所は、厨川3-6-28です。
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絲し舎 2
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2007/8/12
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次に内部。玄関から入って最初に目に入る店内です。正面の板壁付近の黒い床は、やはり築70年の住宅を解体した時に取り置いた床板です。この色合いは、70年の経過があればこそです。解体時にこうした改修工事に出会えるのもまた不思議な縁を感じます。そこで、右上の欄間ガラスも同様に解体現場からの「お宝」です。テーブルも棚も全て弊社施工ですから、大工工事より家具工事が多い現場となりました。その棚脇に見える柱や梁は、構造補強の為に新たに入れた部分です。古い構造部分がかなり歪んでいたので、その内部に新たな構造部を組み上げる方法としました。
しかし、後の事を考えずにどんどん増築を繰り返した建物が、大きな地震に遭遇すれば悲惨な状況になると予測できます。こうした工事を平気で行える業者が実際にいると分かり、寂しくなりました。ある方に改修見積もりを依頼された時も、モルタルの壁を剥がさずに窯業系外壁を張り込んでおり、張ったばかりだから手を付けないで欲しいと言われました。合い見積もりを取り、一番高いけれど良い外壁を使う会社だから選んだそうです。そしてまた今回の改修も各社比べるそうです。私は、断りました。その時は自分の気持ちが良く分かりませんでしたが、ここの現場の何度も行われた別業者の改修工事が、予算優先であまりにも手抜きをしていたからだと思います。人と人の触れ合いが無いままに業者比べをしていては・・・と感じるこの頃です。特に、改修工事の時に感じる感覚です。
やはり、これまでの経験を生かし、アフター体制を確りと立ち上げたいと感じています。弊社も7年が経過しました。私の車は、大工道具を積んだバンであり、この秋ぐらいから一軒一軒歩き始めたいと思います。
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絲し舎 1
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2007/8/12
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盛岡市厨川で改修工事です。雑貨屋で、お店の名前は「手しごと絲し舎」さんです。”いとしや”と読みます。もう直ぐ完成予定です。まだ工事中ですが、雰囲気をいち早くお伝えしたいと思い、写真を3点掲載してみました。
まずはお店の入り口です。天井は、築70年の中央通貸家の天井を再利用しました。玄関引き戸のガラス部分も、古い建具を枠そのまま嵌め込みました。板材には、柿渋を塗装したので、これから更に変色して良い味が出ると期待しています。引き戸脇の板壁には、毎日看板が下げられるそうなので、どんな看板になるのか楽しみです。外側の壁付け看板も弊社の端材で作ります。そうです。これらは端材利用です。何でも捨てずに取っておくと役に立ちます。これで、お金を貰えば尚いいのですが・・・毎回決まってサービスです。何故だろう・・・木に値段を付けてあげないと失礼な気がしてきました。次回からそうしようと(まるで、予防線みたいな文章です。笑)
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11日-4 補強3
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2007/8/11
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最後に、ボルトなど金物を隠して意匠的に綺麗に見せる為に、更に赤松の板を被せて完了!このページから見ている方は、「11日-1 胴割れ」からお読みください。(ところで、胴割れとは大木が倒れるときに自らの重みが作用して、内部にひび割れが発生する現象です。)
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11日-3 補強2
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2007/8/11
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後日、赤松が割れて横に広がらないようにする為に、また下に添えたケヤキと一体化させるために、赤松の厚板を両側からボルトとビスなども併用して、がっちりと固めました。その時に、厚板を丈夫の梁形に加工して取り付けたので、この付近はかなり丈夫にしたつもりです。
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11日-2 補強1
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2007/8/11
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折れた赤松の下に、長年乾燥させたケヤキの梁を大黒柱に差込ながら、赤松の梁に抱かせる様に配置しました。しかも、赤松の曲がり具合をケヤキに写し取ってその通りに削り、隙間が出ないようにしてから、添えました。ケヤキ自体は上に張りあがる使い方です。値段を考えると非常に高価な梁ですが、綺麗な木目なので、心からの良品です。まずこれで落ちることはなくなりました。
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11日-1 胴割れ
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2007/8/11
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15cm幅で梁成(高さ)33cmの赤松の梁と言えば、住宅に於いては大きな梁であり、重厚で安心感のある家のシンボルにもなりえる梁だった。しかし、それが折れた!写真のように割れた!誰もが目を疑って呆然とする。私にしても、大工にしても、製材所にしても、誰もが初めて見る現象だったのだ。刻む時も、変な割れも無いし節も赤松としては普通であり丈夫で確りとしていて、乾燥も良く誰が見ても立派な梁だった。それが、写真の通りに割れたのだ。製材所の見解は、「胴割れではないか・・・製材のときは見抜けなかった・・・と言うより形跡が無かった。」との事。そして、私達に「すみません」と言った。私達は、建て主さんに「すみません」と言った。誰もが、謝るしか出来なかった。そして、補強する事になるが、怒ったり怒鳴ったりする事なく、静かに微笑んでさえくださり、私達の補強提案を認めてくれるお客様に、頭が下がる思いだった。
ただ、言い訳でなく事実なのだが、2階の床は下がることなく全くなんとも無い。理由は、弊社の床根太は10.5cm角で3.6mの長さで45cm毎に配列されており渡り顎掛けなので、それだけでも丈夫だったのだ。その下には、12cm幅で梁成24cmの梁が90cm毎に配置されこれも渡り顎で、その下にある大きな梁が折れたので、その折れた梁だけが下がり、他の部分には影響がなかったという結果が見えた。また、折れた梁も両脇は柱に差し込んであるのでその部分はがっちりとしていた。これがもし、プレカットのような小さな仕口で全てが平らであれば大惨事になった可能性もある。この家業で1度出会うかどうかの内容ではあるが、杢創舎の構造手法だから大惨事を免れたと思うし、伝統の有難さをしみじみと感じた。木造の事を誤解される危険性もあるので、秘密にする会社が多いかもしれないが、あえて正直に書いたのは、教訓としたいから、そして本当に良い住宅を造って行きたいから、加えて補強を可能とする技がある。その風景も次項に掲載!
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曲がり梁
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2007/8/10
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私の家は、この様な赤松の曲がり梁で構造空間を構成しています。特に、この写真のように大きな曲がり部分は、通常山に放置されるかパルプ材などになります。しかし、目の前で伐倒された立木を出来るだけ大切に使いたいので、私はあえて山側の職人さんに申し出て購入しました。こうした部分を捨て、いいところだけ買う、海外からも買う、合理化を図るために自然の曲がりは捨て集成材を買う、これを続けていれば曲がり梁を扱う技術も廃れます。しかし、自然界にはそうした樹木の方が多いのです。民家を見ても、そうした材料を上手に使い分けて工夫しているのが分かります。出来るだけ真っ直ぐな方がいいのは私も同感です。しかし、「大切に」・「もったいない」との気持ちで100年近くも生きてきた樹木と接すると、何故かこうした曲がり部分も使いたくなるのです。使い始めると、色々と上手く利用出来ることに気が付きます。特に、上部からの荷重を負担してもらうと、耐震性にも良い事が理解できます。好き好きの差はありますから、これが全て正しいわけでもないのですが、私は出会った場合にはなるべく使おうと考えます。
実は、家族からも当初「エ〜これ使うの?」と言われ、製材所でも脇に寄せられ、弊社大工にも「・・・」とされましたが、棟梁だけは目が輝いていました。墨付けの技がなければ上手く納まらないからです。そして、その技術はこうして形に残りました。後世こうした材を使わなければならない場合でも手本が残ったという事になります。
とは言え、完成後も色々な方にこの曲がり梁に関して「?」とされるので、私も相当変な曲がりがあるのかもしれません(笑)。あえて自分の家だからという良い訳もあるのですが、少し説明したくなり今日の日記に書かせていただきました。いつか、こうした曲がり梁を見て目を輝かせてくれる方と語り合えるまでの間は、一人この赤松と会話して過ごしたいと思います。おっと、家族は今や理解してくれるので、一人でなく「家族と」でした。
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盛岡の山里
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2007/8/9
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昨日、三田農林さんの八巻山林を見学に行く途中での風景です。あいにくの雨模様でしたが、それでもこの自然と人の調和した生活空間に出会って撮影。写真の腕がもう少し上手ければ良かったのですが・・・天気の良い日にまた行って来ます。山の見学会の時にはこの道を通りますので、その節はよろしくお願いします。
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樹齢92年の杉
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2007/8/8
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嬉しい知らせです。盛岡市中貝田地区に三田農林さんの八巻山林という林齢92年の山林があります。大正5年に造林された杉の山です。その立木を直接購入出来る事になりました。地元の木で、地元の大工が、伝統構法で建てる、造り手の顔が見えて循環する、そして持続する、日本が世界に誇る環境と共存できた時代への基還りの実現への新たな一歩です。9月に伐倒して、2ヶ月間葉枯らし乾燥させてから必要長さに採材します。天然乾燥なので実際に使えるのは早くても1年後なので、使う当てはまだありませんが、まず私達がこうして購入する事が大切なのだと思います。
この山へ、お客様を案内しても構わないと言われ、ますます嬉しくなりました。弊社で現在計画中のお客様や、既に建てられたお客様にも声を掛けて、皆で山を見学に行ける日が楽しみです。これから企画を考えます。その時は、よろしくお願いします。
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手作り照明
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2007/8/7
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この写真も、昨日同様に「仙北の家」内部吹抜け部分の写真です。吹抜けの照明器具は毎回悩みます。そこで今回は、弊社建築士の佐々木真澄デザインの手作り照明を作成してみました。この雰囲気は、無垢だからでしょうか・・・いい気分です。この写真を撮影しながら私は横になり、一瞬寝息を自ら感じ慌てて起き、再度小上がりの畳に場所を変えて、心置きなく昼寝をしました。日曜日の見学会のお昼時です。家族は、数秒で寝付き10〜20分で即起きて普通に動き回る私が不思議だと言います。私は、普通そうだと思っていました。(笑)
Sさんすみません、内緒で昼ねしてしまいました。でも、風が気持ちよく快適でしたよ。(障子が外の目線を隠してくれました。)
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ガラスブロック
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2007/8/6
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タイトル通りの写真です。下の枠は、鬼胡桃の端材を利用、仙北の新築住宅の一部です。実は、ある解体現場での取り置き品です。もちろんサービスですが、ガラスブロックの新しいカタログを見ると種類豊富で楽く、今後多用するかもしれません。ガラスと言えば、ステンドやブロックにオールドガラスなど、光との競演には魅力があります。断熱ガラスを利用した木製建具も最近作っています。壁だけの家には住めませんから、窓は重要です。今春新築完成した我が家には、弊社オリジナルで栗無垢の木製断熱建具を試しに作ってみました。確りと機能していますが、玄関ドアだけは湿度の変化に対応して時々苦労しています。
いずれにしても、ガラスには不思議な魅力がたくさんあります。少しの工夫で豊かに暮せるっていいですね。(西仙北の家を、ギャラリーにUPしました。)
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小さな見学会
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2007/8/5
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5日は、仙北の完成住宅をお借りして、小さな見学会を行いました。広告無し、現場看板無し、ノボリも無し、カタログも無し、弊社HPのみでのお知らせでしたが、前日までに4組の見学希望のご連絡があり、当日の連絡見学ご希望の方もおり、結果5組のお客様に見ていただくことができました。朝から雨で湿度が高く、エアコンの無い状況下の一番条件が悪い見学会でしたが、時折の通風が気持ちよくしてくれるので、それほど暑くて困る事も無く調湿タイプの断熱材のおかげを感じました。晴天でガンガン暑い日は、家の中が涼しく感じるのですが、雨天時の湿度の高い無風状態が一番厄介です。エアコンがあればそれも解決はしますが、エアコン無しで過ごす方が、健康な体を維持できるように思われます。(個人差があります)
さて、写真の子供達は来年建築予定のにぎやかな4人兄弟!2階の屋根裏は、天井が低くても階段を中心にグルグル回れる間取りなので、子供達にとっては遊べる空間が楽しいのでしょう。他に誰もいなければ私も混ざるところですが?ここは我慢して下手なカメラマンに徹します。
この子達の建築予定の住まいには、滑り台を取り付ける計画があります。また、午前中に見学いただいたもう1組のご家族の住まいには、2階から1階へスルスルと降りる鉄の円柱を付る事になっています。ブランコも有りです。楽しい住まいになりそうです。設備やパーツももちろん大切ですが、いかに暮らしどう住むか、楽しい夢を描くのもまた大切です。そうした住いの陰で、山も木も、そして働く多くの職人や私達も笑顔で過ごしていきたいものです。こうした住いが、自然や職人の恵みや有難さ、そして大切さを伝えていけると共に、子供達がご両親に感謝できる人間に成長するところを見守っていけるのであれば、そこに造り甲斐もあります。
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皆で床塗装
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2007/8/4
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4日の土曜日は、仙北の現場が一部を残していよいよ完成するので、皆で杉の無垢床に桐油を塗りこみました。社員4人(仮採用者1名)と、お客様ご家族にご両親様も応援にかけつけてくれました。桐油は、自然素材で安心な塗料でもあり、一番の特徴は直ぐ乾く点です。乾油と言われてもいます。塗りムラも出にくいので、塗りにくい壁の際を先に塗装してから床面を塗装しても、乾くとその境が分からなくなるので、塗り残しても翌日塗装できますから安心です。また、無垢材に一度はこうしてオイルを塗装しないと、小さな埃がザラザラして足に不快感が残る場合があります。こうしてオイルを塗ることでそれがなくなります。柿渋などもいいのですが、独特の匂いが1ヶ月ほど残るので床を張る前に塗装する方がお勧めです。(匂いの感じ方には個人差があります)
無垢床は、手入れが大変とよく言われますが、一度もそうした事を感じた経験がありません。ただし、傷が付いては駄目色艶が嫌だ、隙間が出ても駄目と言われれば無理なので、そうした方には向きません。逆に、足触りが良く温もりがあり、赤ちゃんが寝転んでも安心な素材は無垢1枚厚床しかありません。初めは気になるかもしれない傷も、経年変化と共にかけがえのない表情に変化していきます。特に、近くの山の木で出来た無垢床は、環境にも優しい素材です。弊社では、杉・栗・赤松・落葉松・楢が多く使われています。他にも、桜や楓に檜など色々と沢山の樹種があります。次の現場では、欅の床も加工して作りますが、やはり杉の使用が一番多いです。(金額も手ごろですし・・・)
また、天然乾燥した無垢板を自社で加工して床にする現場が増えてきました。人工乾燥よりも動きは多いかもしれませんが、天然の艶はかなり違いがわかりますし、長持ちします。いつかまた、この日記でご紹介させていただきます。
※皆さんお疲れ様でした。可愛いお子さんも確りお手伝いしてくれて、ありがとうね。
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蘇った栗板
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2007/8/3
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現在、仙北の新築住宅が完成し、中央通の住宅が刻みの最中ですが、厨川でも雑貨屋さんの店舗改修工事中です。結構楽しい無理難題を要求されるのですが、それに応えるのが心情で、なんとか頑張っています。写真の栗無垢テーブルもその一つです。予算無いまま、造って!と言われて考え込むと・・・お客さんに心配そうにのぞきこまれて・・・それでもダンマリ。実は、あれこれと考えていたのです。いよいよ心配になって、無理ですか?と言われたその時に、大きく曲がり穴があるので放置されていた栗の無垢板を思い出し、結果写真の通りです。
無垢材の素晴らしさは、蘇るのです。扱い一つです。ついでに、床の黒い部分は先日解体した中央通の床板を捨てないで取り置いたものを使用しました。私はこれを、建て主さんと木との出会いと思っています。
もうじき完成します。柿渋を塗装した赤松などいい色合いです。古い建具なども味わいがあります。お近くをお通りの際には是非ともお立ち寄りください。場所など後日、お知らせいたします。ところで内緒話ですが、この建物を建てた大工さんが柱と梁を針金で結んでいた部分を発見したときは驚きました。土台や柱にも腐って跡形の無い部分もあり、5cm建物が傾いていました。その為、構造改修を提案してかなり補強しました。その苦労の跡もひと目で分かると思います。(内緒になっていませんが・・・)
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清め
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2007/8/2
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昨日、大工さんの刻み初めや上棟式の心を書きましたが、数日前に中央通貸家の木材に、刻み開始の清めを行いました。特別な儀式ではなく、塩とお神酒で全ての木材を清めるだけの事です。しかし、それが心構えの要になります。
今回は、初めてお施主さんに参加してもらいました。色々な式典に参加してきた私も、工事の安全や御参集の方々のご隆盛などの話は聞きますが、生きとし生けるものへの供養と感謝の儀式は今の世の中では少ないのではないでしょうか?心こそ大切なのです。
建て主さんも棟梁も、心も顔もほころんで、私はお神酒にほころんで、めでたしメデタシ。どんとはれ。
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脱皮
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2007/8/1
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今日から8月。夏本番とは思えない涼しさの朝晩が続いていますが、弊社作業場の片隅で一つの生命の営みに遭遇しました。残す命は1週間、長い土中の生活から大空を自由に飛び回る世界への旅立ちです。
棟梁の遠山が、刻みの事始や上棟式の際に必ず口にするのが、「飲み食いをするのではなく、こうした小さな命を幾つも殺して家を建てるのだから、そうした多くの命の供養をするのが、式であり清めなのだ。」
考えてみると、山で木を育てる間でもいつの間にか多くの虫達や植物を殺し、伐採時には樹木そのものを切り倒し、基礎工事の時にも土を掘り起こして、ミミズさんや多くの微生物の住処を荒らしているのは確かです。私達が生きるとはそうした事なのかもしれません。それゆえに、事の始めには確りと思いを込めて、多くの命への供養の気持ちになり、沢山の方々の長年のご苦労に感謝する事が大切だと気づかせてもらえます。
そうした時に自然と口にするのが、「ありがとうございます。」 言霊の意味が少し分かったようで?さわやかな月初めでした。
※この後の旅立ちは残念ながら、仕事の為時間が無くて見届けることが出来ませんでした。木登りの森から、羽ばたく直前の写真が翌日メールで届いたので、一安心。
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静寂
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2007/7/31
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先週の土曜日、川留神社で撮影した(下手ですが)写真です。右側の座敷には沢山の人がいたのですが、この写真からはそうした気配がなく、私は静寂を感じます。日本の風情の一つと私は思います。自分の建てている住まいを、後の人達が見たときにどの様に感じてくれるのだろうか?「住む人と、山と、職人を大切にした家だね」と言われるようになりたいものです。
余談ですが、この景色を見ながら頭の中で、こんな雰囲気の縁側を造ってみたい、建具は木製で断熱ガラスにするが気密がとれないから3重(雨戸含む)にして、床下はこうで天井も・・・と断熱気密の事を当てはめようとすると風情も何も・・・頭の中は静寂の反対で・・・無理があります。当然別物なので仕方ない?かもしれませんが、いつかこの様な建物も造らせていただきたいものです。
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トマト
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2007/7/30
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杢創舎事務所玄関先にあるプランターのトマトが、やっと色付いてきた。実は、数日前に3個収穫済み。子供達と一緒に、あっという間に立ち食い。驚くほど甘くて美味しかった。その1週間ほど前には、まだ緑色のトマトがなぜか土の上に落ちていたので、拾って台所に置いた。処分するのも惜しくて、そのまま流しカウンターに放置(冷蔵庫には入れなかった)。今朝ほど気が付くと、写真の収穫前のトマトと同じぐらいに赤くなっているではないか。「発見!」と、騒いでみても私以外誰も興味を示してくれず、「美味しくないよ・・多分・・食べてみれば」と冷たかった。そこで、今夜は誰も居ないので、恐る恐る食べてみた。外だけでなく中まで赤くて熟してこそないが、甘みもあり美味しい。「ほらみろ美味しい!勝った」と一人感激して満足。
そして、冷蔵庫をあけてビールを・・・あれっ無い?今夜は自分で入れて置かないと駄目だった。家の中に限り、一人では何も出来ないタイプと実感。諦めてまた事務所で仕事を始める。これもまた習性となってしまった。
するとPM10時、妻と子供達が岩泉町から戻ってきた。妻のお母さんが、先日癌の手術を受け今日退院したので、皆で岩泉の実家まで送ってきたのだった。「おばあちゃんどうだった?」と聞くと、「畑に出てた」との事。今月、癌の手術でお腹を切ったばかりのはずだが・・・上には上がいる。何時だったか、おばあちゃんとお父さんは相性がいいねと言われた事がある。確かに、こうした所は似ていて否定できない。
口では上手く言えないので、この場をかりて 「体を大切にしてください。今度温泉旅行でも企画したいですね。」
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ビー球
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2007/7/29
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昨日の土曜日(28日)、私は打合せや神社に参拝などが重なり参加できませんでしたが、仙北の現場では、お客様が玄関にビー球を埋め込む作業が行われました。この写真は藤原が撮影(前回までは全て澤口の写真なので、初参加の写真となります。)
建て主の娘さん可愛いですね。新しいお家がもう少しで出来るからね。優しい気持ちにさせてくれるお子さんです。
しかし、建て主さんも色々な方がいらっしゃるのが当然ですが、「木が動いたり抜け節があっても構わない、いやその方が楽しい。2階から1階が見えても良い。」と言われた時は、業者としては感激です。逆に、それならばと広葉樹などサービスしたりして・・・ナラの曲がり框や、栗の3.6mの机に手作りの腰壁など、作る側も楽しんでいます。8月5日に小さな見学も予定したいと思いますので、ご興味ありましたらお問い合わせ下さい。(現場が間に合うかな〜?)
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川留神社
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2007/7/28
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28日は盛岡市加賀野に鎮座する川留稲荷神社例祭に参拝。毎年7月28日に例祭が挙行されるそうです。夕方には、屋台や喉自慢大会も行われるそうなので、都合よければ遊びにいってみてください。写真のような彫刻に会えますよ。
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夕日
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2007/7/27
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25日が朝焼けだったので、26日は我が家の窓一面に見える、夕日の写真を掲載しました。毎日こうした景色を望めるのは、やはり幸せです。建てて良かったと思うひと時です。
外も暑かったので、室温は28度。でも湿度と通風で気持ちよく、家族みんなで「この家快適だね」と毎日話しては満足しています。それも素人みたいに・・・(笑) ただ、私の場合は外で汗を流しているので、余計に涼しく感じます。皆が暑いと話しているときにも涼しく感じる事が多いので、体感には個人差があります。
26日は、午後からの墨付けにも関わらず、8本の墨付けが完了。いいペースで作業が進み始めました。私も少しは役に立つらしいです。木組の話を棟梁の遠山と話をしていると、「こうすれば地震に強い」という言葉が一番多いので、昔から大工さんはそうした事に一番気をつかってきたのが分かります。古い建物が地震に弱いのではなく、無計画な増築や重い屋根材への改修、そして手入れを出来なくなっている事が原因だと思います。いずれにしても、痛ましい災害に遭遇されてしまった方々に心からの応援を送りたい気持ちです。明日はわが身かもしれません。出来れば、平穏無事に毎日この夕日を見られますように。
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屋根断熱
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2007/7/26
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弊社では、昨年から断熱材を化石燃料系のものから、自然素材系に頑張って変更しました。次世代基準をクリアーする断熱性能を維持するにはコストがかなり嵩むので、それなりの苦労がありました。特に、自社の利益削減から始めた取り組みでもあり、釘一つ木材の切れ端一つも大切にしたくなる毎日です。社員には相当いやがられているかもしれません。(笑)
羊毛や杉皮にコルクなど各種検討しましたが、施工性能や輸入コストなども含めて検討し、室内側にビニールシートを使わなくても壁内結露を発生させない、調湿性のある断熱材としてセルローズファイバーを使用する事に決めました。また、杉皮も付加断熱として加える事もあります。私達が、生活していると必ず発生する古紙を使うことでのリサイクルにもなり、元々が木材から作られているので、間伐材の利用にも繋がると思いました。ただ、沈下などの欠点もありそうなので、麻を混入してあります
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木梁158本
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2007/7/25
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今日は、丸一日梁の墨付け。総本数158本の平梁が40坪の住宅に配置されることになる。柱は130本、小屋柱も50本、1日10本墨付が出来たとしても1ヶ月は費やすことになるに違いない。となると、もう少し急ぎたいのだが、梁の上がり下がりが多く2段に重なる部分も多いので、簡単には進まない。まして、足手まといの私に教えながらなのである。
でも、私も役に立ちました。柱の配置など、図面を書いた私が墨を付けるのだから、そこはこう、そこは別で・・・アッ・・・図面の間違いだから図面を直します。という感じで、いい調子?で作業が続いています。一番楽しいのは、この梁はこの面を上にしたほうがいいとか、この材は使うとこうなるとか具体的に教わるので、感覚で覚えられる事です。基本的に、綺麗な材は誰にでも良さが分かりますから、今までも分からなかった訳ではないのですが、それとは違う何かがあるのです。それは何か?企業秘密なので教えません。(笑)
ところで、この木材の数多いと思いますか?少ないと思いますか?大工さんは、こんなに入るのか・・・と、今日は何度か言いました。作業場が狭いとも言いました。全部の材を見ながら選んで配置するので、重ね積みではなく平積みにしますからそうなるわけです。軽く相槌をうちながら、さりげなくかわすのも私の仕事です。大金があれば理想通りになるのですが、今は無理です。夢を持ってしばらく我慢してください。(お願いします。でも、いつかはきっと・・・)
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朝焼け
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2007/7/24
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朝4時半頃、我が家のロフト小窓から空をのぞくと綺麗な朝焼けだった。思わず、地下室での平面計画作業を止め、ロフトへ鉛筆と方眼紙を持ち込んでの作業に切り替た。朝の風も気持ちいい。バイクと自転車の音の大半は新聞配達の音。懐かしい音だ。私も学生時代は新聞配達で生活していた。
あっ・・プランを考えなければ・・・平面計画は夢がひろがって楽しいですね。でも、8時には作業場で梁の墨付けが開始されるので、中断して墨付けの勉強に向かいます。
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古時計と約束
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2007/7/23
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今週からいよいよ映画館通りの築80年の事務所の解体に着手しました。そこにあった古時計の写真です。こうした時計を見ると、色々なことが連想されます。新築のときのこと、戦争の事、年末年始、朝一番に事務所に来る人最後の人、泣き笑い、綺麗なお姉さん方の内緒話、掃除婦さんのため息?、時代の流れさまざま、そして私は「約束」を連想してしまいす。職業病とも言えますが、時間を守る事は、本当にその気にならないと意外に出来ないんですよね。
それとは別に、今回はあるもう一人の業者さんにも、解体前の取外し作業に声が掛かったのですが、一度引き受けたのに、簡単に手伝えないとメールだけよこしてそのまま一切連絡も何も無しでした。なんでも、大工さんが病気とかで仕方がないのだと思いますし、実入りはゼロなので賢い判断とも思うので、やはり仕方無しです。でも、「約束」という言葉が色あせて寂しいものです。数日前にも、柱や梁の木材を事前にお願いしていた方にも裏切られました。用意できると話していたので安心していたのですが、がっかりです。幅の寸法を揃えるお願いが駄目だったようですが、良い材を出そうとの心がけがないと成長できないと私は思うのですが・・・特に自分で墨を付けるようになってその大切さが分かります。多少の違いは技術でカバー出来るのですが、当初からその気が無い人の材を扱うには、かなりの時間が掛かってしまいます。もともと約束を重視できない人には通用しないか?
ということで、時計を見ると約束を連想します。でも、時の流れが解決するごとく、約束を破られても後で良い事もあるのでした。ケヤキの無垢のカウンターゲット!階段も多分ケヤキです。解体業者も哀れんだのか、梁や柱など少しなら取り置きますと言ってくれました。木材も、別途手配が付きました。古時計を見ながら、やる気がみなぎる心地よさを感じて良い時間でした。時計は2時の5分前で止まっています。虹の5分前、約束時間は5分前、心も5分前、これで全て良し。また5縁がありますように。
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まさかの続き
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2007/7/22
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昨日の続きで、食害された(正確には巣を作られた)断熱材を切り取った部分の写真です。卵も見えます。ため息とも落胆ともなんとも言えない言葉にならない言葉が・・・。
どうやら、地中から基礎断熱も食害して上にあがって来た雰囲気です。基礎断熱枠業者にも見せて返事待ちですが、「どこでも出回っていて、蟻には食われますよ」とか「瑕疵保障対処ではない」とか訳の分からない事を口走っていました。そのくせ、初めて見たとか・・・さっきの、どこでも・・・食われますよ、の言葉とつじつまがあいません。動揺したのだと思いますが、自分達が作り販売した商品に発生した事なのだから、まず誠意を見せるべきです。それは、私自身にも言えることですから、断熱屋さんがなんと言おうとも、私は万全を尽くします。お客様が一番辛いと思います。不測の出来事とはいえ、本当に申し訳ございませんでした。
断熱屋さんの真心を期待します。一緒に悩んで一緒に直してくれればいいのですが、現在連絡待ちです。
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まさか!
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2007/7/21
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午前10時半頃突然の予測もしない電話が来る!お客様と打合せの最中の出来事!家の壁に蟻が巣を作っているとの連絡に、我が耳を疑いたくなる衝撃が走った瞬間だった。
「打合せ中なので、私は行けませんが藤原を向かわせます」との話を横で聞いていたお客様が、「打合せは後で良いですよ」と申し出て下さり、有難く打合せを打ち切り現地に直行しました。そこで見たのは、ビーズ法ポリスチレンの断熱材を食べて巣を作っているムネアカオオアリの姿とその卵の数の多さです(実際には、食べているのではなく運び出しているのですが、感じ方は食べられているそのもの)。場所は、新築した母屋と倉庫として残した既存部との境の壁面でした。曖昧な室内空間であり、他の外気に接する外周部にはそうした痕跡は見られません。基礎断熱と土間コンクリートの接点の隙間から、断熱材をチギリ運び捨てるような方法で進入して、杉柱の背割れから木材も削り取りながら断熱材までも削り、巣を作ったものと見受けられました。基礎断熱には防蟻処理したものを使っていたので、尚更に受けた衝撃は大きく予測もしていませんでした。しかも、断熱材を外してみると、構造面材のダイライトさえなんとかしようと齧り取った後さえあります。それを教えてくれたのは建て主さんです。穏やかに、「山ですから仕方ないですかね」との言葉に精神的に救われました。こうなると、手直しは誠心誠意当方のアフターでと申し出ましたが、「大工さんの手間など遠慮なく言ってください」との言葉さえいただきました。
業界的にも前例は少ないと思います。私自身は初めての事で、付き合いのあるシロアリ駆除業者に聞いても、見たことも聞いたことも無いとの事でした。ただ、黒蟻が幅木などから出入りするケースはかなり多く、その処理で忙しいとは話していました。その場は、床が合板で壁も仕上げの無いビス剥き出しだったので、壁や床を外して取り急ぎのスプレー剤で、見えるムネアカオオアリ全てを撃退しました。私は次の打合せもあるので、後は藤原と大工さんに任せて戻りました。その後、巣になった断熱材も全て取り外してから、取り合えずシャットアウトという白い粉を進入路らしきところに撒いておいたそうです。現地はこのままにして、1週間ほど様子を見てから治まれば床壁を直す事にしました。
午後の打合せ後、インターネットで処理方法など検索しましたが、逆に飼っているページやシロアリ駆除が多く、具体的なムネアカオオアリの直接的な対処方法は見つける事ができません。オプティーガード・アンツバスターなど、餌として運ばせて地中の巣の中で死滅させるものが大半です。基本的に有害液剤は使う気がないのですが、除虫菊の天然ピレトリンMC(シロアリ用)はどうかな?とも。柿渋に関してのページも一つだけありました。偶然見つけたのが、木炭に群がるシロアリのページや炭塗料を塗布した木材が何もしないヒノキよりも食害されている写真などで、好んで防蟻に使用している方々には落胆が大きいかもしれません。よく、湿度や水分があると食害されると聞きますが、どうもそうでもなく、温かくて住みやすいから食害するのだと書いてあるページもありました。水分は地中でまかなえるらしい文面でした。
床暖や断熱材という好条件が整うと、こうした虫の被害はどうしても避けられないと、ある専門業者の方の話を数日前に聞いたばかりでした。今後、増えてくるに違いないとも話していたそうです。この話は、床暖で建物の外部に黒土の花壇を枕木で造ったところ、土間サッシと基礎断熱材の隙間からシロアリが進入して青森ヒバの土台までも食害されてしまったお客様から聞きました。特殊ケースと言われたそうですが、今回も特殊ケースであればいつかは特殊でなくなるに違いありません。多分、虫も進化しているのは間違いないと思います。偶然にも、その方も「花壇をやめる事は出来ないので、シロアリと付き合って行きます。」と話されておりました。もちろん、処理はされましたがこの地域のヤマトシロアリが家を食潰す事はないのをご存知だからだと思います。
一つだけ気が付いたのは、ムネアカオオアリの方ですが、巣を作った断熱材付近から1m程度離れたコンクリート土間上に沢山の蟻の死骸があった事です。また、杉の柱付近の断熱材に巣を作っていたので、湿度の無い乾燥した土間の上では生きて行けない事と、木材との接点の無い断熱部分を直接齧り取る事はないのではないかと言う事です。また、偶然かどうか電気配線付近での出来事でもありました。当然通電すると年中暖かい訳です。家の中なので、風も無ければ太陽も直接当たらない場所です。好条件が整うとはこの事かもしれません。いずれにしても、勉強せよとのごとくに同様なことが続きました。
奇しくも今後外壁には、木毛セメント板が構造耐力・調湿・防音・放火・防蟻に効果があり、しかも無公害で間伐材を利用しリサイクルできる商品なので採用する予定です。外壁にガルバリュウム鋼板だけでなく塗り壁や無垢板材の選択肢もできる事に繋がります。断熱材に採用しているセルローズファイバーも調湿・防音・放火・断熱・防蟻に効果があります。出来るだけ化石燃料を使わない商品を採用したいと考えていた結果が、防蟻商品でもありました。その代わり、断熱性能は化学系より下がり、コストはUPします。それを補うのが、開口部の断熱建具であり施工費の適正化(木毛セメント板だと1工程で済む)であり、なにより私の作業を含めた自社施工でカバーするしか現状では選択肢がありません。
古い建物にも、食害された痕をよく見かけますが、一部のみ食害しているだけです。20数年前にシロアリ駆除が一気に流行った事もあります。そして健康被害が重大視されて土壌散布が嫌われました。そして今、また蟻の被害が増加してきました。自然との付き合い方を今一度学びなおし、無害で有意義な環境を得るために何が良いのかを勉強して、今後もこの日誌上でご報告したいと思います。
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四十四田住宅
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2007/7/20
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午前中は、来年の為に丸太を準備する都合があり、木材調書を作成。杢創舎7年の中で山の立木から選んでの工事はまだ3回ですが、今までは特殊ケースばかりでした。今回初めて山の木を見ながら直接購入出来る事になりました。山元には再造林できる経費を残し、建て主さんには市場価格とほぼ同等にするには、悪いけれど中間の作業を省く事になります。その為、山から製材所そして現場への顔の見える関係に私が全て関わる事になるので責任重大です。墨付け一つ取っても、こうした事をするために何一つ欠かせない大きな流れを感じます。一気に全て行うのは無理がありますが、これまでも一歩一歩の歩みでした。そう考えると、これまで名も無い弊社で家を建てていただいたお客様に物凄く感謝しています。年々工事内容や仕様が少しずつ変わりますが、基本は全く変わりないつもりです。あらためて感謝申し上げます。
午後は、図面を書くつもりでPCに向かいましたが、昨日まで外で働いていたのでどうも調子が出ず、四十四田ダム公園まで出掛けて一休みしてから、車中ラフ図書きをしてました。でも、ボーッとして駄目ですね。ひとまず休んで朝頑張ろ〜(多分AM4:00前起床・・・よくあることです。)
四十四田ダム公園横に弊社でリノベーションした木造平屋建ての住まいがあります。外壁の杉板が良い色合いになっていたので、つい撮影。(建て主さんが時折塗装しているのが分かります。感謝!)外の道路をウロウロしただけでしたが、留守を守る犬に怒られました。Kさん確りと番犬してましたよ。(こちらの住まいは、弊社HPのギャラリーNo2で詳しく見れます。)
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八尺(ハッシャク)
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2007/7/19
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火曜日から始めた土台の墨付けも今日で三日目。今日は、私一人での作業でしたが、本日で土台の墨付けが完了しました。集中し過ぎて、終わったとたん鼻血が・・・頭と体が熱くなるほど熱中したかもしれませんが、三日でここまで出来たのは誰かに褒められたい気分です。
しかし、考えて見れば元々図面を書いた本人が墨付けをするだから、柱の位置など分かって当然であり、悩む時間が少ないぶん早く進むのかもしれません。逆に図面の間違いが無いか心配です。やってみて分かりますが、図面を信じて作業を行うので間違いや直しがあるとかなり大変です。特に火打ち土台など考えなく入れると大変なのが良く分かりました。どう配置すれば効率よく丈夫になるか、これは設計者は十分勉強が必要です。
それから、一番大変なのは材料の向きや使い方選び方です。木材がどの方向に反っているかなど何度も見ては頭をひねりました。また、同じ材でも良いものと使うかどうか悩む材も混ざっております。ここは2階も柱も乗ってくるから良いものを入れようとか、乾燥が甘そうだから使用を控えようとか、色々と悩みます。特に大変なのが、一度墨を付けてからまずいところに気が付いて・・・このまま次に進めば楽なのにと悪魔の囁きも聞こえる中・・・「駄目駄目やり直そう、この材は多分良くない」と、泣く泣くやり直しました。手を付ける前に気が付けばいいのですが、はじめに気が付かず途中で気が付くのだから、私もまだまだです。
土台は遠野のヒノキ4寸角県産木材の天然乾燥材で、鱒沢製材さんから購入しています。ヒノキのいい香りがします。ところで、最近のシロアリは青森ヒバの土台も食害します。ヒノキやヒバはシロアリに強いとの業界認識がありますが、シロアリをあなどってはいけないことを最近経験しました。
話がそれるので墨付けに戻ります。写真は尺杖の制作の瞬間に撮影した、大工さんが「八尺」と木材に書き込んでいるところです。一・二・三・四・五・六・七・八・九・十・十一・十二と尺(303o)単位で書き込みますので、総長さ3636oになります。慣れると、センチやミリより尺の方が使いやすく感じるので、私たちの図面は尺寸法で書いています。しかし、大工さんは木に竹で墨を付けるのが上手です。なんともいえない味があります。早く上手に書けるようになりたいので、何度も何度も書いて練習しましたが、練習したその字が見られないのです。(ヘタで・・・)
さて、今日は夜に打合せがあるのでまだまだ休めません。仙北の工事は少し遅れ気味で増員、中央通の本日のコンクリート工事は無事終了、厨川(改修)の左官工事は着色が決まらず苦戦中との事、事務所の図面作業は大忙し。土台の墨付けが終わったので、明日は事務所で図面や木材調書の作成など頑張ります。(24時間では時間不足)
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墨付け
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2007/7/18
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17日は暦では先負ですが、中段が「とる」二十八宿が「翼」下段が「天おん」にて、良き日と定めて中央通の住宅の木材に墨付けを開始しました(ここまで書くとマニアックと誤解されそうですが、単に暦を見ただけです。)。今回から弊社の遠山大工から私が教えを請いながら墨付けを二人で行う事にしました。この意義を十分に心得て、襟を正して作業に望みたいと思います。宮大工さん達の本も読みながら(そこまでではないのですが)技術の伝承の大切さなども感じます。どこまで出来るか分かりませんが、経過をお伝えさせていただきたいと思います。
実は、かなり楽しんでいます。緊張のせいか10時・3時の休憩時間にはかなり喉が渇いて疲れているのが分かります。真剣勝負なので当然なのですが、木肌の見方なども教わるのでかなり有意義です。ますます図面が遅れるとまずいので、夜か朝早くに頑張っています。こうした事をできるのも、見習いの筈の若い社員(現場と設計)二人がいつの間にか成長してある程度できるようになったからでもあります。
こうした経験がよりより住まいを造らせていただく源になると信じて、今日もまた明日もまた墨付けが続きます。
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修学旅行
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2007/7/17
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15日は台風16日は地震と災害及び被災地の状況を目にして心が痛みます。実は、その二日間は家族で宮城県へ修学旅行に出掛けました。小学校6年の三女がインフルエンザの為、学校の修学旅行に参加出来ず可哀想だったので、本当は友達とグループ見学した筈の松島や博物館などを家族で見学して回りました。何とか時間を割いての事だったので、台風情報を何度も見ながら強行したわけですが、毎日現場の為に気象情報を見ている事で雰囲気が予測でき、こんなところで役に立つとは思いもしませんでした。(と言っても普段的外れが多いのですが・・・)
でも海はやはり荒れていました。それでも子供達は波遊びに夢中で、子供の頃って皆そうですよね・・・大人は遠めに海を見渡して監視して・・・「おーい、危ないぞ」と何度も言ってうるさがられて、気が付くと写真やら防波堤の潮吹きやらに夢中になって、子供の勝ちです。
ところで、松島の水族館は80周年の記念の年との事でした。ある種の驚きと、来週から解体する建物も偶然築80年の建物なので、同じ昭和2年の事がにわかに目に入るのも不思議な感じがしました。今度使う木材もほぼ同じ年齢の木ですから、年輪にその歴史が染み込んでいるのかもしれません。今の私たちの時代は、木の年輪で言えば綺麗な木目を残すのか傷や腐れを残すのかどちらでしょう?多少の欠点はあっても良き時代と言われたいですよね。子供達と遊ぶとほんとそう思います。欠点は直す・・・人事ではなく自分です。そこで、今日はじめて墨付けを教わりました。一からスタートです。恥ずかしいほど何も出来ませんでした。特に、木材に墨で竹で字を書くのは・・・見られたくないほど出来ませんでした。練習あるのみです。明日も頑張ります。
しかし、三女の為の修学旅行代わりの筈が、三女が我侭を言うと直ぐ怒る自分に気が付いて、これでは友達と来た方がずっと良かっただろうなと心の中で反省してしまいました。松島マリンパーク〜オルゴール館〜漁師の民宿(安くて美味しい)〜宇宙子供館〜科学館と見学して楽しく遊べたかな?(本当は勉強?)車中仕事の話ばかりするお父さんはやはり駄目ですね〜。あと1日あれば良かったかなと思いながらやはり仕事が気になります。いつか脱皮するのだろうか。(したい)
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16日-5 曲り梁
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2007/7/16
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最後に曲がり梁の写真です。山との繋がりが確りとあった時代の使い方なのだと感じながら、この美しい使い方に嬉しくなりました。新しいものを造る私達は、及ばないまでも今ある力を出し尽くして幾らかでも近づきたいと思います。そして、いつかは技術の再生や山の再生までたどり着ければと願うところです。でも、今が全て駄目なわけでもありません。今の良さと伝統の良さを融合させるには、もう少し伝統の技に近づかないと全く及ばないということです。しかし、時間の流れの速い現代の環境の中でこれを行うのは並大抵ではありません。でも、大切なものに気が付いたのだからやるしかないと思います。
ところで、大工の技は1000年以上の長い流れの技術の伝承です。人の手から手に繋がってきた有難い口伝です。どうかご理解下さいますようお願い申し上げます。
16日-1から順に見ていただければ幸いです。
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16日-4 土壁
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2007/7/16
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土壁も叩くと簡単に落ちる状態でした。しかも、綺麗に竹小舞と分かれるのです。この土を水で戻して練ると再度使えるのだと思われます。
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16日-3 敷居楔
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2007/7/16
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次に敷居の楔。空気に触れていない部分なので、当時の姿のままでした。
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16日-2 床板
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2007/7/16
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まず、床の間の板の裏側。裏板は差込口を斜めに削ってあります。しかも手で綺麗に・・・。中央の2本の溝が板を支える根太と蟻溝でスライドできました。
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16日-1 解体前
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2007/7/16
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昨日、中央通の路地の写真を掲載しましたが、解体前の築70年の建物もご紹介します。この懐かしい雰囲気の建物を解体して、現在新しい住まいを建築中という事です。当初、単純に大きな重機で壊すところでしたが、時間とご理解をいただいたので、5月の連休明けから私一人でこつこつと色々と外しました。その雰囲気は、現場の看板に掲示してあります。
床の間の板などは、根太と蟻溝で固定してあり、落とし掛けの楔も外してスライドさせると綺麗に取れるので正しく木組でした。釘や接着剤を使用していないので、コツさえ分かれば外しやすい作りなのです。今日は、その写真を数点掲載してみます。
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映画館通り
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2007/7/14
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現在、盛岡市中央通で工事中ですが、その直ぐそばに通称映画館通りがあります。その通り沿いに、昭和2年に建てられた木造2階建ての事務所があり今も使われているのですが、惜しいことに今月25日より解体することになりました。よく見かける大きな重機での解体ですが、縁あって、私の方で大きく壊す前に出来るだけ人の手で外したり取り置いたり出来る時間をいただきました。
無料奉仕に近い内容なので、どこまで出来るかやってみないと分かりませんが、80年前の味わいのある建具やカウンターの他、梁や柱も可能であれば数本でも残したいです。(古材利用ではなく大切にしたいからです。)
写真をご覧いただけば、どこの場所かお分かりの方もいると思います。23日〜24日は、解体ボランティアを募集します(笑)。この日は、黒光りの色艶の階段をなんとか外したいと思いますが、経過は後日日記で紹介したいと思います。
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基礎工事
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2007/7/13
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昨日の日記に書いた基礎工事の現在の状況写真です。奥のフェンスの向こう側が金田一駐車場となります。こんな中心地での工事は初めてです。大工さんは、仙北の工事に忙しいので、澤口と藤原が頑張っています。図面を書く仕事ももちろん大切ですが、日々こうして汗をかくのは非常に気持ちがいいです。そして、一棟一棟丁寧に造りたい気持ちになるのもこの瞬間が一番大きいです。基礎を自ら造ると、自分で書いた図面を体で覚える事になるので、微妙な納まりなどに目線が向くようになり、次の木組みの時に合理的で美しい木構造空間を考え出す基にもなります。
基礎工事に着手の時、地鎮祭のお札と注連縄を基礎下に埋めた際に、建て主さんが手を合わせて拝んでいたのが印象的でした。
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中央通の井戸
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2007/7/12
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前日の三田農園さんつながりで、中央通のとある社屋裏庭の古井戸の写真です。盛岡市の中心地で、ガッチャンポンプを見つけようとは思いもしませんでしたが、さすがに使用はしていないようでした。実は、弊社でもこのすぐ近くで(中央通で・・・)木造の住宅を建築中です。現在基礎工事の途中ですが、木造部分が始まるのは9月からです。お近くまでお越しの際にはお気軽にお声をかけて下さい。不思議な看板が目印です。
話は井戸に戻りますが。ガッチャンポンプには「宝」と大きく刻印がしてありました。私には、これそのものが懐かしい宝物に見えて仕方がありません。そこで、8月完成予定の西仙北の住宅でも井戸を掘る予定です。しかもガッチャンポンプ設置予定です。仕事を忘れて楽しみに走りそうな気がします。
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産直
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2007/7/11
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三馬橋手前の三田農園産直で偶然キジを撮影、杢創舎日記のスタート写真にいいかなと思いながらも、特に意味は無いので、またあるプロの方に下手な写真と笑われそうです。産直には、100円均一のおいしい野菜や、粒の確りとしたブルーベリー(こちらは500円)の他、美味しいと評判のアイスクリームなども販売されていました。水〜金の週3日間のみの開店との事です。お店で待っている優しい笑顔の小阪さんは、岩手林業の常務さんなので山の事にも詳しく、滝沢のブルーベリー園の情報も教えてくれるので、訪ねて損はないと思います。興味はあっても場所が分からない方には、弊社に問い合わせいただいても構いません。
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